転職を5回しながら、15年以上人事をやってる、もしけです。
今回のテーマはズバリ!
転職した後って結局、いつからボーナスがもらえるか?です。
- オファー面談で提示条件を確認する時、もらえる年収を知っておきたい方。
- 転職後、内定の時ボーナスが出ると言っていたが、いつからもらえるのかが知りたい方。
- 転職直後、ボーナスがでない場合、年収が下がってしまうリスクを知っておきたい方。
大事なお金に関する事なので、しっかりと確認しておきたいところです。
やりがいを求めて転職を成功させたとしても、希望するお金がついてきていないと、後々のモチベーションダウンにも繋がります。
一方、あまりストレートに聞きすぎると、その後の印象を悪くしてしまうのではないか?と思ってしまう人もいると思います。
なので、実際に人事業務で沢山のオファー面談を実施してきた私から、ボーナスを構成している要素と、転職時に確認すべき事の情報をシェアさせてください。
目次
初回ボーナスは、いつからもらえる?
結論から言ってしまえば、ボーナスを計算する期間に勤務をフルにしないと、転職後最初のボーナスは原則支給されません。
ただ、あくまで原則ですので、下のようなケースはイレギュラーで支給されたりもします。
- 会社自体が物凄い高業績
- ボーナスの算定期間関係なく、入社後すぐに、目に見える活躍をした場合
そもそも賞与(ボーナス)って何?
そもそもボーナスは、どういう性質のお金なのでしょうか?
厳密にいうと、各会社毎に作り方は異なるのですが、大枠は次の定義で定められています。
月給は、その人が会社勤めをする上での生活保障をベースに、仕事の難易度や役職等、会社に貢献してくれる期待値等で決められるもの。
つまり、
というものです。
その一方、仕事をしていくと世の中も変化しますし、会社も変化します。
最初に見込んでいた利益より、業績が良くて多くの利益が出たり、逆に利益が出なかったりします。
予測が出来なかった事を、頑張った従業員に還元するタイミングを決めて、支給しようと決めたものがボーナス(賞与)になります。
ボーナスに対するメッセージは、会社によって異なる。

業績の良し悪しで支給を変えるというのは、一番多いベースの考えです。
会社によっては、お盆の時期やお正月など、何かと物入りになる時期に、
という、慰労のメッセージで支給したりする会社も存在します。
他にも、下記のようなケースもあります。
- 目標数値を達成した人がボーナスが多くもらえ、そうでない人はボーナスを少なくする等、成果主義の色を強くして支給する。
- 年棒制を採用していて、単純に年収の14分割をして、年二回別途月給の1ヶ月分を支給する。
どうして転職後すぐには、ボーナスがもらえないのか?
ボーナスは、会社がメッセージをベースに賞与規程というルールを作っています。
賞与規程の中に、賞与算定対象期間があります。
この賞与算定対象期間が、転職後にボーナス支給の有無を決めます。
例えば賞与の支給タイミングが、”毎年7月と1月に支給”と決められていたとします。
7月に支給するボーナスがもらえる対象者は、その年の【1月~6月までの期間】を在籍している人であるという賞与規程があります。
この【1月~6月までの期間】というものが、算定対象期間です。
ボーナスの分配は、算定対象期間にずっといた人が基本対象になる。
ボーナスの支給は、算定対象期間に会社に在籍し、働いているということが条件になるという事。
という事は、例えば中途入社で4月に入社したとしても、7月に支給されるボーナスは、算定対象期間内では半分しか在籍していません。
つまり、ボーナス支給対象外になってしまいます。
最初から支給する例外もある
ただ、下記のような例外もあります。
会社は、原則として賞与規程のルール内で、ボーナスを支給します。
なので、4月に入社した場合の事例だと、初めてボーナスが支給されるタイミングは、その年の7月ではなく翌年の1月が対象になるわけです。
内定時に提示された想定年収は確定年収ではない。

ここまで、転職した後にボーナスがいつもらえるのかについて、説明してきました。
では、実際に内定時点から入社を決定するまでに、何を注意する必要があるのでしょうか。
それは、【想定(理論)年収】です。
例えば、あなたが年収500万円を希望していて、内定をもらった時に、下記のような労働条件を書面で実際に年収条件の提示を受けます。
- 想定(理論)年収:5,100,000円
【以下内訳】
- 月額:340,000円
- 賞与:賞与規程に基づき 夏季(7月)と冬季(1月)に支給(※業績に基づき支給の有無あり) (昨年実績 夏季賞与:月額の1.5ヶ月分 冬季賞与:月額の1.5ヶ月分)
- 合計:340,000円×15ヶ月分=5,100,000円
自分が希望していた500万円を上回っているので、「やったー」と思うのですが、ここで注意が必要になります。
提示されている【想定(理論)年収】は、会社の給与規程に沿って年収を試算すると、このぐらいになるよ、というざっくりしたものです。
ボーナスが年間で月給の3ヶ月分を実積で支給している。
なので月給×15で、年収いくらですと書かれていたとしても今まで説明してきた通り、実際は入社とボーナスの支給タイミングで決まります。
内定面談対策で確認すべきポイント4点!折角の場を最大限活かそう!でも紹介しましたが、
残業など月給やボーナスとは別の要素が入れば変わってきますが、入社1年目は提示を受けた年収より下がってしまうので、ここは注意です。
提示された想定年収が、希望年収より下がってしまう前に【最低希望年収】を伝えておこう。
会社側としては、本人が希望していた年収を、会社の規程に沿って提示しているだけです。
本人が1年目に賞与が受け取れない事まで加味して、オファー提示はしていないです。
ここに会社が提示する年収と、本人が希望する年収にギャップが生まれるリスクがあります。
このリスクは放置しておくと、転職後に言った言わないの揉め事になり、最悪早期離職に繋がってしまいます。
このギャップを事前に埋める為には、オファー提示を受ける時、あるいは最終面接後等のオファーの前段階で希望年収の【最低希望年収】を伝えておきましょう。
【最低希望年収】は賞与を加味しない、月給として受け取る金額でOKです。
その金額を提示する事で、会社側もあなたがどのくらいの収入を望んでいるかの基準ができます。
【最低希望年収】がわかれば、今度は会社側があなたに交渉が入ってくると思います。
- 「この月給だと当社は賞与があるので、翌年からの年収が高くなってしまい、他の人とのバランスが取れないので、何とかなりませんか?」
交渉内容によって、妥協ができるならOKですし、もし難しいという事でしたら、オススメな方法が1点あります。
それは、賞与の時期に他の人と同様に、賞与を支給してもらう交渉をする事です。
オファーが出ているので、あなたが欲しい人材である事は決まっています。
なので、受け入れる側の人事制度に定まるように調整するのも、人事の仕事です。
十分に交渉の余地はありますので、試してみてください。
転職したてというのは、パフォーマンスが発揮しづらく、疲労もたまりやすいです。
その期間を乗り越えるコツを下記記事で紹介してますので、是非見てください。
まとめ:転職後ボーナスをすぐ受け取りたいなら、タイミングと成果
今回のまとめです。
- ボーナスは転職直後の最初の支給タイミングでは、まずもらえない。
- 会社には賞与規程というボーナスの支払い方法や対象を決めるルールがある。
- ルールの決めるベースは、会社が従業員に対してボーナスという変動が予想される報酬をどのように扱いたいかという、メッセージによって異なる。
- 内定時に提示された想定年収は、必ず、支給される金額ではない。
- オファーで提示された年収と希望年収とにギャップがある場合は、最低希望年収を伝え再交渉する事。
もし、転職後すぐにボーナスを満額もらえるようにしたいのなら、算定対象期間の始まりの月の1日入社を狙う事。
もうひとつは、転職で活躍するコツ5点紹介!働くとは当たり前の繰り返し。を参考に目に見えた成果を上げられるように、転職後すぐに活躍する土台を固めておく事。
この事を心掛けてください。
お金の希望の事で、入社前からお互いにスレ違いがあると、お互い不幸になりかねないです。
求人票での応募の段階や、内定時の条件面談でしっかり擦り合わせておきましょう。
また、年収でどうしても条件が合わない場合は、再度、転職活動をする事も視野に入れておきましょう。
納得のいく転職ができるように、自分でできる事はやっていきましょう。
以上となります!
最後までお付き合いくださり、有り難うございました!